美味しいりんごを買ってきたある日、その甘い香りに誘われて、そばにちょこんと座ってキラキラした目で見つめてくる愛犬。
そんな愛しい姿に、「少しだけおすそ分けしようか」と思うのは、飼い主さんなら誰しもある、幸せな瞬間ですよね。
私たち飼い主にとって、彼らはもはや単なるペットではなく、同じ時間を共有し、心を分かち合う、かけがえのない「家族」そのものですよね。
「この子のごはん(ペットフード)も、大切な家族のごはんなのに、消費税はどうなっているんだろう?」
りんごは軽減税率が適用されるけど、ペットフードは標準税率?
私は、大切な家族が食べるペットフードは、人も食べられるという意識でいるので、ペットフードは標準税率な事は納得しがたい部分があります。特に最近では、「人が食べられるペットフード」いわゆるヒューマングレードのペットフードも見受けられます。
ヒューマングレードのペットフードならば軽減税率になるのか?
結論からお伝えすると、ヒューマングレードのペットフードでも標準税率(10%)となります。
この記事では、その理由と背景にある税金の考え方について、紐解いていきたいと思います。
なぜ「人が食べられるペットフード」でも軽減税率は適用されないのか?
最初に結論としてお伝えした通り、たとえヒューマングレードであっても、ペットフードは標準税率となります。
その理由は、消費税のルールが、その商品の「品質」ではなく、「人の飲食用として販売されたか」という「目的」で税率を判断しているからです。
パッケージに「ドッグフード」「犬用おやつ」と書かれ、ペットのための商品として販売されている限り、税法上は「人のための食品」とは区別されるのです。
ペットと人はなんら違いは無い。というお気持ちは大変理解できますし、私自身もそう思うのですが、税法上はどこかで線引きをしないと適用があやふやになってしまいます。
税の公平性を保つための大切なルールだと分かっていても、少しもどかしい気持ちになりますよね。
りんごは8%、犬用りんごクッキーは10%になる「販売目的」のルール
冒頭で登場した「りんご」を例に考えてみると、このルールがより深く理解できます。
スーパーで私たちが買う「りんご」そのものは、「人の食品」として売られているため、軽減税率(8%)です
これは、買ってから愛犬にあげたとしても変わりません。
しかし、ペットショップで「国産りんご使用の犬用クッキー」が売られていた場合、これは「ペット用のおやつ」として販売されているため、標準税率(10%)になります。
中身の品質や原材料ではなく、「お店が何として売ったか」が、税率の分かれ道となっているのです。
税法のルールは「愛情」ではなく「公平性」でできている
「大切な家族なのに、納得できない」と感じるお気持ち、とてもよく分かります。
しかし、税金のルールは、私たちの「愛情」という温かいものさしとは別に、「社会全体の公平性」という、もう一つの別のものさしを持っています。
もし「飼い主の気持ち」で税率が変わると、お店のレジが混乱してしまいますよね。
そうした混乱をなくし、誰にとっても分かりやすい仕組みにするために、「販売目的」という客観的な基準が設けられているのです。
これは、私たちの暮らしを支えるための、社会の工夫とも言えます。
愛情とルールの間で得た新しい視点
いかがでしたでしょうか。
今回は、ペットフードの消費税について、私たちの「家族」という温かい気持ちと、税金のルールの間に横たわる、少しもどかしい関係性についてお話ししました。
最後に大切なポイントを振り返ってみましょう。
- たとえ「人が食べられる」ほど高品質なフードであっても、「ペットフード」として販売されている限り、標準税率(10%)となります。
- その理由は、税率が「中身の品質」や「私たちの愛情」ではなく、「販売された目的」で決まるという、社会全体の公平性を保つためのルールがあるからでした。
ルールだと分かっていても、少しだけ割り切れない気持ちになるのは、私たちがそれだけ深く、家族であるペットを愛しているからこそだと思います。
この違いを知ることで、私たちは「家族なのに、なぜ?」という小さな疑問や、割り切れない気持ちから解放されるのではないでしょうか。
そんな中で「社会のルールはこうなっている。でも、私のこの子への愛情は、そんなルールとは関係のない、もっと尊いものなんだ」と、ご自身の気持ちをより強く、明確に再認識できるのではないでしょうか。
社会の仕組みを冷静に受け止め、同時に自身の愛情の深さも再確認する。
この二つの視点で、ペットフードに標準税率が適用されるもどかしさが解消されるのではないでしょうか。
今度お買い物をする時、レシートに並ぶ数字の向こう側にある、そんな物語に思いを馳せてみるのも、面白いかもしれませんね。